目標
ある朝、いつも通りiphonのアラームで起きる。カフェで働き始めてから1ヶ月過ぎたあたりだった。
「仕事行かなくていいや。このまま辞めよう。」という考えが急に頭をよぎった。そのままベッドの上で3分悩んだ挙句、やっと重い腰を上げた。体感的には「このまま辞めよう。いやそんな簡単に諦めていいのか」と1時間くらい悩んだ気がする。
日本人は僕1人。韓国人が2人いたらそいつらは韓国語。インドネシア人はインドネシア語。もちろん会話の内容はわからない。あまり気にしているつもりはなかったが、もしかしたら悪口を言われてるのかもしれない、とかどこかでストレスを感じていたのだろう。
その日以降は辞めようと考えることはなかった。そしてその1ヶ月後、バリスタの仕事を任されるようになった。スタッフとも打ち解けていった。仕事を楽しめた。
経験ゼロからカフェの激戦区であるオーストラリアという舞台で通用するレベルのスキルと知識を身につけることができた。英語も上達した。
そして、それはまたひとつ大きな自信を作ってくれる。おそらく僕はもうオーストラリアで一生職に困ることはないだろう。
約8ヶ月お世話になったカフェも卒業する。オールラウンダーとして2ヶ月、バリスタとして6ヶ月。本当にお世話になった。ありがとう。
僕は将来自分のカフェを開きたい。ならば経験が必要だろうと思って、カフェで働き始めた。
今思うとその「目標」があの日、重い腰を上げさせてくれたのかもしれない。